シルクロードネットワークとは
横浜は絹貿易拠点として栄え、現在の発展は絹によって築かれたと言っても過言ではありません。とはいえ、現代の都市開発の中で、絹産業の記憶が、正当に評価されることなく忘れ去られようとしている事実もあります。横浜には、絹産業が築き上げた建造物等の遺産や膨大なシルク関連資料、そうした資料の中にしか見られない多くの先人達の物語等が残されており、私たちは、これらを明日の横浜に伝えていくべき地域遺産として考えています。そして、これらは横浜単独で出来たものではなく、多くの地域と結びつき、先人達の着想と努力で築き上げられたものです。横浜から絹の道を辿ると全国に及び、各地に蚕種・養蚕・製糸・織物・流通等の絹遺産が今も息づいています。また、富岡製糸場の世界遺産登録をはじめ、近年、蚕種や養蚕で繁栄した集落や町が重要伝統的建造物群保存地区に選定される一方、製糸工場や鉄道関連施設が近代化遺産として重要文化財に指定されています。昨年、新たに群馬県内の絹関関連市町村が絹物語を紡ぎ、日本遺産に認定されています。今や絹関連遺産は、かけがえのない地域遺産として注目を集めています。
こうした実情を踏まえ、絹文化の足跡を振り返り、文化遺産として将来に亘り継承していくことや、地域活性化の切り札として活かす手だてを多くの地域と連携して創り上げることを目的に平成27年3月の「シルクロード・ネットワーク・横浜フォーラム」の開催を機に新たな地域づくり活動組織として「シルクロード・ネットワーク協議会」を設立したしました。
今後とも、皆さまとともに力を合わせて我が国の絹文化を継承してまいりたいと存じます。